多汗症・ワキガについて
多汗症
多汗症とは、過剰な汗をかく症状のことで、特定の臭いを伴うわけではありません。体全体に影響を及ぼす全身性と、体の特定の部位だけに影響を及ぼす局所性の2種類があります。
身体的な病態やストレス、環境条件など様々な原因によって引き起こされることがあります。
ワキガ
アポクリン汗腺の活動が活発になり過ぎることで、特有の強い体臭が脇から発生します。
主に思春期から中年期にかけて現れることが多く、遺伝的要因が大きく影響しているとされています。
多汗症・ワキガの主な症状
- 脇の下に白い粉が見られる
- 衣服の脇部分が黄ばむ
- 脇の下からの汗の量が多い
- 冬でも汗をかく
- 耳垢が湿っている
- 毛深い
- ストレスが多い
- 自分でくさいと感じる
- 家族にワキガ体質の人がいる
など
脇の下に白い粉が見られる
これはアポクリン汗腺から分泌された汗が乾燥して結晶化したものです
衣服の脇部分が黄ばむ
アポクリン汗腺から分泌されるリポフスチンが原因で、特に白いシャツで顕著に見られます。
脇の下からの汗の量が多い
アポクリン汗腺やエクリン汗腺の活動が活発である証拠です。
冬でも汗をかく
エクリン汗腺が体温調節以外にも過剰に活動していることを示します。
耳垢が湿っている
アポクリン汗腺の活動の1つの指標となります。
毛深い
毛根周辺のアポクリン汗腺が多いと考えられます。
ストレスが多い
アポクリン汗腺はストレスによっても刺激され、活動が増すことがあります。
家族にワキガ体質の人がいる
ワキガは遺伝的要因が強いため、家族内にワキガの人がいる場合、ご自身もワキガである可能性が高まります。
多汗症・ワキガの原因
ワキガや多汗症は、家族歴が影響することが多く、親から子へ遺伝する傾向があります。
そのほかの原因は以下の通りです。
多汗症の原因
体温調節を担う自律神経のバランスが崩れると、適切な状況でなくても汗を過剰に分泌することがあります。
また、甲状腺の異常や脳の問題など、他の健康状態の影響を受けることや思春期や更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に多汗症の症状が現れることもあります。
ワキガの原因
ワキガは、特に脇下に多く存在するアポクリン汗腺から分泌される汗が原因で、これが細菌によって分解されることで特有の臭いが生じます。また、汗と肌の常在菌とが組み合わされることで、ワキガの臭いを強化します。
汗が栄養源となり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。
多汗症・ワキガの検査方法
多汗症の検査方法
重量計測法 | あらかじめ重さを計ったろ紙を皮膚に貼り、一定時間後にろ紙が吸収した汗の重量を再計測します この方法で汗の量を定量的に評価し、多汗症の程度を判断します |
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ヨード紙法 | ヨードデンプンを含む紙を皮膚に貼り付け、汗によって紙が黒く変色する範囲を観察します この変色の範囲によって多汗症の重症度を判定します |
血液検査 | 多汗症の背後に別の健康問題がないかを調べるために血液検査を行うことがあります ホルモン異常や代謝異常など、多汗症の原因となる病気を特定することができます |
重量計測法 | あらかじめ重さを計ったろ紙を皮膚に貼り、一定時間後にろ紙が吸収した汗の重量を再計測します この方法で汗の量を定量的に評価し、多汗症の程度を判断します |
ワキガの検査方法
ガーゼ法 | 脇にガーゼを挟み、一定時間後にガーゼに吸収されたにおいを医師が評価します この方法はにおいの程度を確認するために用いられますが、評価は医師の主観に基づくため、客観性に限界がある場合があります |
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他人からの指摘 | 他人からワキガの臭いを指摘された経験があるかどうかも、診断の参考にされます |
多汗症・ワキガの治療方法
多汗症の治療方法
外用薬 | 10~20%塩化アルミニウム水溶液を使用します 就寝前に塗布し、翌朝に洗い流す方法が一般的ですが、皮膚炎や傷がある場合は使用できません。 |
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抗コリン薬内服治療 | 抗コリン薬はエクリン汗腺の活動を抑制しますが、副作用に注意が必要です |
A型ボツリヌス毒素注射 | 交感神経の伝達を阻害し、汗の分泌を抑えます 効果は数ヶ月持続しますが、再投与には間隔を空ける必要があります |
ワキガの治療方法
手術治療 | アポクリン汗腺を直接除去する手術が一般的です 皮弁法は保険適用のある手術法で、脇毛の生える範囲のアポクリン腺を削除します 完全ににおいをなくすことは難しいですが、大幅に減少できます 手術後の安静と固定が必要であり、生活に制限が出ることもあります ※手術療法は保険適用となります。3割負担の場合、実際に支払う金額は約5万円です |
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手術後のにおいが全く変わらない場合は、再手術が必要になることもあります。
手術の効果は、脇毛の量の変化によっても評価されます。
それぞれの治療方法にはメリットとデメリットがあり、症状の程度やライフスタイルに合わせて最適な治療方法を選択することが重要です。