とびひ

とびひについて

とびひについて

とびひは、医療用語で「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言い、細菌による皮膚感染症です。この感染症は、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌が原因で発生します。
その名の通り、接触によって他人に伝染し、急速に広がる特徴があります。この急激な広がり方が、火事の飛び火に例えられて「とびひ」と呼ばれるようになりました。

とびひの主な症状

とびひは2種類に分けられ、症状や特徴は以下のようになります。

痂皮性膿痂疹

症状 炎症が強く、皮膚の症状のみならず、リンパ節の腫れや発熱、頭痛、喉の痛みを伴うこともある
特徴 赤い腫れが生じ、その中に痛みを伴う膿疱(膿を含んだ水ぶくれ)が形成され、最終的には厚いかさぶたになる

水疱性膿痂疹

症状 強いかゆみがあり、かいた手で他の部位を触ることで感染が広がる
特徴 皮膚に小さな水ぶくれが形成され、数日で大きくなり、やがて破れてただれる

とびひの原因

主な原因は、皮膚の微小な傷や損傷を通じて細菌が侵入することにより起こります。
そして、この病気の特徴は感染した皮膚から他の部位へ、または他の人へと容易に広がることです。

とびひの原因細菌

黄色ブドウ球菌 常在菌として人の皮膚や鼻内に生息し、傷口から侵入すると感染を引き起こすことがあります
黄色ブドウ球菌による感染は、とびひの最も一般的な原因であり、この菌によって産生される毒素が、炎症や膿を伴う皮膚の発疹を引き起こします
化膿レンサ球菌 こちらも人の皮膚や呼吸器に常在する菌で、特にA群β溶血性連鎖球菌がとびひの原因となることがあります
この菌による感染は、黄色ブドウ球菌と比較してやや少ないですが、重症の皮膚感染を引き起こすことがあります

感染経路

直接接触 感染した皮膚や膿を他の人が触れることで、感染が広がります
間接接触 感染者が触れた玩具やタオル、衣服などを介して感染することもあります

感染経路には以上の2種類があり、予防策としては、皮膚の清潔を保つこと、小さな傷や損傷がある場合は適切に処理して感染を防ぐこと、共有物の使用を避けることなどが挙げられます。
また、既に感染している場合には、他人への感染拡大を防ぐため、感染部位を清潔に保ち、適切に保護することが必要です。

とびひの検査方法

とびひの診断には、はじめに、症状を引き起こしている細菌を特定する必要があります。そのため、感染している皮膚を採取し、培養及び顕微鏡検査を行って原因菌を割り出します。
この検査は、特に膿を含む皮膚の部位や水疱が形成されている箇所で行われることが多いです。さらに、抗生物質の効き目を確認するために、薬剤感受性試験を実施することもあります。特に溶連菌が関与している場合や症状が重い場合には、血液検査を行い体内の炎症反応や腎機能を評価します。
また、腎臓への影響を調べるために尿検査も行われます。

とびひの治療方法

感染の程度や症状の重さにより異なりますが、一般的な治療方法には以下のようなものがあります。

外用薬による治療

抗菌薬軟膏 テトラサイクリン系、ニューキノロン系、フシジン酸ナトリウムの抗菌薬軟膏が使用されます
これらは、とびひの原因となる細菌に直接作用し、感染を抑制します
リバノール亜鉛華軟膏 抗菌作用と皮膚保護作用を持ち、炎症を鎮める効果があります
これらの軟膏は、感染部位に直接塗布されます

保護とケア

ガーゼでの保護 治療薬を塗布した後、感染部位をガーゼで覆うことで、薬剤の保持と感染の拡散を防止します
水疱のケア 小さな水疱はそのままにし、大きな水疱は内容液が周囲に付着しないように注意しながら排出させることがあります

内服薬による治療

抗菌薬の内服 セフェム系抗生物質など、感染に効果的な抗生物質を内服します
ごく軽い場合は外用薬で治癒しますが、通常は抗菌薬の内服を併用します
抗ヒスタミン薬 とびひに伴うかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬が内服されることがあります
これにより掻きむしりを防ぎ、さらなる感染の拡散を防ぐことができます

とびひの治療には感染を広げないためにも、適切な治療法の選択と正しいケアが重要です。
症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。

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