傷跡

傷跡について

傷跡について

傷跡は、擦り傷、切り傷、やけど(熱傷)、ニキビ、手術などの外傷が治癒した後に皮膚に残る痕跡です。傷の深さや広さによって、傷跡の目立ち方には大きな差があります。
通常、深い傷からはより目立つ傷跡が残り、整容上の問題を引き起こすことがあります。
また、浅い傷でもその面積が広い場合、同様に目立つ傷跡になることがあります。

傷跡の主な症状

傷跡に関する症状は、傷跡の種類に示した形状以外にも、以下のようなものがあります。

色の変化

色素沈着 傷跡が周囲の皮膚よりも濃い色を示します
色素脱失 傷跡が周囲の皮膚よりも白っぽくなる状態です

形状の種類と症状

傷跡にはいくつかの種類・形状があり、主なものには以下のようなものがあります。

肥厚性傷跡 傷跡が赤く盛り上がり、周囲の皮膚よりも厚くなる
炎症反応が強い場合に見られ、痛みやかゆみを伴うこともあります
萎縮性傷跡 傷跡の部分が周囲の皮膚よりも凹んで見えるタイプ
水痘(水ぼうそう)やニキビなどが原因で発生することがあります
ケロイド 肥厚性傷跡よりもさらに成長し、元の傷の範囲を超えて拡大する傷跡
遺伝的要素が関係しているとされ、治療が難しいことが特徴です

感覚の変化

感覚鈍麻 傷跡周辺の感覚が鈍くなることがあります
痛み 傷跡自体やその周囲が痛むことがあります

その他の症状

かゆみ 傷跡が治癒する過程でかゆみを感じることがあります
美容上の問題 外見上の悩みや自己意識の問題を引き起こすことがあります

傷跡の原因

傷跡は、切り傷や擦り傷、ニキビ、手術、やけどなど、様々な原因によって皮膚の損傷が治癒過程で形成されます。この過程で、正常な皮膚組織とは異なる新しい組織(瘢痕組織)が形成されるため、結果として傷跡が残ります。

傷跡の目立ち方や残り方は、傷の深さや広がり、そして発生した部位に大きく依存します。深い傷や手術によるものは特に傷跡が残りやすく、浅くても広範囲にわたる傷や、化膿を伴う傷も同様に傷跡を残しやすいです。さらに、多くの動きがある部位での傷は、修復過程で炎症が起こりやすくなるため、傷跡が残りやすくなります。

傷跡の残りやすさには個人の体質も関わっており、不健康な生活習慣を送っている方や生活習慣病を抱えている方、強い炎症反応がある方は、傷跡が残りやすいとされています。また、傷跡が残りやすい体質に遺伝的要素があるとも考えられていますが、現在のところ、それを直接的に示す遺伝子は特定されていません。

傷跡を最小限に抑えるためには、傷の適切なケア、健康的な生活習慣の維持、必要に応じて専門医の診断と治療が重要です。
特に目立つ傷跡や治癒が遅い場合は、早めに横浜市青葉区のたまプラーザ駅前皮ふ科へご相談ください。

傷跡の診断方法

傷跡の診断は、ほとんどの場合、現在の皮膚の見た目や皮膚損傷の既往歴に基づき行われ、特定の検査を実施する必要はほとんどありません。そのため、患者様が経験した皮膚損傷の種類、深さ、及び治癒の状況に関する情報は、傷跡の性質を理解する上で重要な手がかりとなります。

しかし、傷跡が関節の運動を妨げるような瘢痕拘縮が生じている場合や、ケロイドや肥厚性瘢痕のように過剰な組織の増生が見られる場合は、医師の診察が必要です。

傷跡の治療方法(瘢痕治療)

傷跡の種類や症状、患者様の健康状態をもとに選択されます。治療方法には、外用薬やレーザー治療、外科的な介入が行われる場合があります。ただし、通常美容的な理由による治療の場合、健康適用外(自費診療)となります。
傷跡が機能的な障害を引き起こしている場合(例: 瘢痕拘縮による関節の動きの制限)には、健康保険の適用が可能な場合もあります。

レーザー治療

皮膚の表面を微細に削ることで新しい皮膚の成長を促進し、傷跡の外観を改善します。

外科的治療

W形成術やZ形成術 傷跡の周囲をジグザグの形に切除して再縫合し、傷跡の張力を分散することで、傷跡を目立たなくする
エキスパンダーを使用した皮膚拡張 皮膚をエキスパンダーと呼ばれる風船で徐々に伸ばしていき、余分な皮膚を作り出す方法

 

傷跡をジグザグの形に切除して再縫合するなどの瘢痕の修正手術や大きな傷の場合には、皮膚を徐々に伸ばして余分な皮膚を作り出す方法をとることもあります。

ステロイドの局注治療

ケロイド(ケロイド瘢痕)や肥厚性瘢痕に対して、ステロイド剤を直接傷跡内に注射する治療方法です。ステロイド剤には炎症を抑える作用や、コラーゲンの産生を抑制する効果などがあります。
局注治療では、トリアムシノロンアセトニドなどのステロイド剤を傷跡の内部に直接注入します。これにより傷跡の増殖を抑制し、傷跡を柔らかくすることで傷跡の隆起や硬さを改善することができます。

治療は数週間から数ヶ月おきに繰り返し行われ、傷跡の状態に応じて注射の間隔や回数を調整します。他の治療法と併用されることもあります。
なお副作用として、皮膚の萎縮や色素脱失などが生じる可能性があります。

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