フケ症

フケ症について

フケ症について

フケ症とは、通常の頭皮の新陳代謝で剥がれ落ちるべき古い角質細胞が通常以上に多くなり、目立つようになった状態です。通常であれば、古くなった角質細胞は自然に剥がれ落ち、適度な量であれば定期的な洗髪で容易に除去できるため目立ちません。しかし、何らかの原因でこれらの角質片が過剰に生成されると、フケとして目立つようになり、それが「フケ症」と呼ばれる状態になります。

フケ症の特徴としては、頭皮に炎症が生じることがあり、それによってかゆみや赤みを伴うことがあります。フケ症の管理と治療には、適切な頭皮ケアと洗髪が基本となります。特に、抗真菌成分を含むシャンプーの使用や、適切な頻度での洗髪が推奨されます。

フケ症の主な症状

フケ症の主な症状は、頭皮に赤みやフケが現れることです。さらに、顔のTゾーン(眉間や鼻背)から鼻の周囲にかけての皮膚がカサカサとして赤くなる特徴があります。この状態は、脂漏性皮膚炎の一形態としてよく見られます。また、アポクリン腺が集中している脇の下や股間にも同じ症状が出ることがあります。

フケ症は慢性的に経過し、冬季には症状が悪化し、夏季には軽快する傾向があるなど、季節によって症状の重さが変動することが一般的です。フケ症が直接的に抜け毛を引き起こすことは少ないですが、慢性的なかゆみによって頭皮を繰り返し掻くことで、毛が切れたり抜けたりすることがあります。
状態の改善や症状の悪化を防ぐためにも、医師による診断・指導のもと、適切なケアを行うようにしましょう。

フケ症の原因

フケ症の原因には様々なものがあり、以下のようなものが考えられます。

アンドロゲンと皮膚の常在菌

アンドロゲン(男性ホルモン)の影響で皮脂の分泌が増加することで、頭皮環境が変化することがフケの一因となります。
皮膚の常在菌、特にマラセチア菌という真菌の増加も、フケの原因となることがあります。この菌は皮脂を栄養源とし、その代謝過程で頭皮の炎症や角質細胞の過剰な剥離を引き起こすことがあります。

乾燥

頭皮の乾燥もフケの一因です。乾燥した頭皮は角質層が剥がれやすくなり、フケの原因となります。この場合、保湿効果のあるシャンプーの使用や正しい洗髪方法で洗髪するなどの改善方法があります。

シャンプーやリンスの影響

不適切なヘアケア製品の使用もフケを引き起こす原因です。特に、肌質に合わないシャンプーやリンスは頭皮の刺激となり、フケの発生を促します。
シャンプーの洗い残しも、頭皮に残った洗剤成分が刺激となり、フケやかゆみを引き起こすことがあるため、十分にすすぐことも大切です。

フケ症の検査方法

通常、フケ症の診断に特別な検査は必要ありませんが、症状が他の皮膚疾患と区別がつきにくい場合には、以下のような検査が行われることがあります。

病理検査

乾癬(かんせん)との鑑別を目的に、頭皮の組織サンプルを採取し、顕微鏡下での観察により病理学的特徴を評価します。

検鏡検査

白癬(皮膚真菌感染症)やアタマジラミ感染の確認を目的に、頭皮から角層や髪の毛を採取し、顕微鏡で観察します。白癬菌やアタマジラミ、またはその卵の有無によって診断されます

以上の検査により、フケ症と他の皮膚疾患との鑑別が可能となり、適切な治療方針を立てることができます。特に症状が持続する場合や、典型的なフケ症の治療に反応しない場合には、これらの検査を行い正確な原因を特定することが重要です。

フケ症の治療方法

フケ症の治療には、まず生活習慣の見直しと適切なヘアケアが基本となります。
これに加えて、症状の原因や程度に応じた治療方法が選択されます。

日常生活における改善

食生活の見直し 皮脂の過剰な分泌を抑制するため、バランスの良い食事を心がけます
保湿効果の高いシャンプーの使用 頭皮の乾燥を防ぐため、保湿成分を含んだシャンプーを選択します
洗髪回数の調整 頭皮を乾燥させてしまう原因となる頻繁な洗髪は避け、適度な間隔で洗髪を行います

医薬品による治療方法

抗真菌シャンプー フケの原因となるマラセチア菌の増殖を抑えるため、ケトコナゾールなどの抗真菌成分を含むシャンプーの使用が効果的です
ホルモン療法 エストロゲンや甲状腺ホルモンの減少がフケ症の原因である場合、ホルモン補充療法による症状の改善が期待できます
シャンプー薬 抗真菌成分や角質溶解成分が含まれており、マラセチア菌の増殖を抑制し、過剰な角質を取り除くことで症状の改善を促します。
内服薬 外用薬やシャンプー薬と併用して抗真菌薬や抗アンドロゲン薬などの内服薬が処方される場合があります。内服薬の使用は、症状の重症度や患者様の状態に応じて医師が判断します。
ステロイド外用薬 頭皮の炎症を抑制することで、フケの発生を軽減します。ただし長期間の使用は皮膚の菲薄化などの副作用に繋がる可能性があるため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。
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